ホストの俺を200万で借りきると彼女は言った。
南国でのバカンス。彼女は俺に何を求めているのだろう?
【小説紹介文】
ホスト 歌舞伎町 貸切 小説 無料
トラギリ モルディブ
ブルー…BLUE…(トラギリ)1/2
「…ったく、付き合ってらんないわ」
呆れた顔で彼女はそう吐き捨てた。
「いい年して、まだそんな夢ほざいてるの?あんたはね賞味期限が切れてんのよ」
ブルー…BLUE… (トラギリ)
「わめいてないでさっさと消えろ。ウザイんだよブス」
「もう付き合ってられない。じゃあね」
ほんの2年前俺の目の前で恥ずかしそうにうつむいていた女と、同一人物と思えない。
あの頃のコイツの田舎臭かった野暮ったい服。
だけどそれがかえって彼女の素の魅力を引き立てていた。
あれから2年付き合って、いつのまにか彼女はブランド物のバックや服を
当たり前のように着こなすありきたりの都会の女に変わっていた。
そして彼氏も、その見てくれにふさわしい男が良くなったのだろうか。
名は知れているが小さなライブハウス。そのあなぐらに俺の歌声を求めて集まる若者の群れ。
彼女は俺をスターだなんて化石みたいな言葉で褒めたことすらあった。
だけど所詮、そこ止まりの俺は彼女の欲求の変化に追いつかなかったって訳だ。
別に女に困ることもない。
こんな狭い世界でも昔の彼女と同じ羨望の眼差しで俺を見つめる瞳はいくつでもあるのだ。
だけど、結末は同じ気がした。
“ あんたは賞味期限が切れたのよ ”
俺だっていつまでもこんなライブハウスのお山の大将で満足なんかしちゃいない。
だけどこれ以上どうやったら登って行けるのだろう?
歌に対する情熱さえも既にすり減っているこの俺に。
ステージの上で夢を歌って、ホストのバイトでも女に春を見せる。
何が現実かわからない日常。馬鹿騒ぎの雑音の中に生きていた。
プライベートじゃ愛想のない俺が、ホストの仮面を被ると女をうっとりさせるような戯言を囁く。
プロ意識にこだわるタチなんだろうか?
バイトと言えどもこの店でも俺はベストを尽くした。
ライブのある日は休むというハンデを持っていても。
「可愛げのねぇ奴だな」
店の看板ホストが俺の後ろで悪態をつく。よっぽど目の上のたんこぶらしい。
客の指名が俺に流れているのが勘に触るんだろう。
俺から見たら冴えない男。
こんな男に金を払う女の気が知れない。
歌舞伎町の小っちぇ店にしがみついて他の世界を知らない猿山のボス猿みたいな男。
ちょっとジャニーズっぽい顔立ちがご自慢だったらしいが、金勘定と乱れた生活で積み重ねた年月が顔に現れていた。
…あんたも賞味期限切れみたいだな
こいつを見てると胸糞悪くてイライラした。
自分とどこかが同じだと言われているようで。
俺は違う。
まだ登る階段があるんだよ。
開店直後、初めての客が俺を指名した。
一人で来る客っていうのは珍しくも無い。
だけどその女は、このテの店ではあまりお目見えしないタイプだった。
この店に来る女の目的は男だ。
女っていうのはそういう時にはそれなりに着飾ってくるもんだ。
化粧っ気の無い顔。
洒落てはいるが黒ぶちの眼鏡。
仕立てはいいがシンプルすぎる白いシャツとジーンズ。
だけど、いい女だと俺は思った。
ここまで飾り立てるものが無くても、凛としたオーラみたいなものがあった。
「ようこそいらっしゃいませ。ご指名ありがとうございますレンです」
いつものセリフ。源氏名なんて思い浮かばなかったので、店でも本名で通している。
片膝ついて挨拶する俺を、女はきょとんとした顔で眺めている。
おいおいどういう店か分かって入ったのかよ。
指名してきたってあたり…わかってるんだろうと思うんだけどよ。
女は分厚い皮の手帳を取り出すと、書き留めてあるだろう何かを確認して
「えっと、ドンペリのピンク頂戴」
とぬかしやがった。
その手帳、ホストクラブのマニュアルでもかいてあんのかよ?
だけど上客だ。ただの馬鹿かもしれないけど…
「ドン・ピン一本入りました!」
店最初のオーダーが両手の指じゃ足りない値段の一本。
がらがらの店内がやたら活気付く。
ホストたちが集まって、ドンペリを入れた上客へのお祭り騒ぎが始まる。
指名のついていない何人かのホストが、この景気の良い客のテーブルに残りたがった。
その中に、俺に愛想が悪いとイチャもんを付けたあの男、女みたいな間抜けな源氏名のユウも
この客に狙いをつけたのだろう。物欲しげな視線でずうずうしくも隣に座った。
「ごめんね」
思いもしないセリフが女の口から漏れる。
「あたし、大勢苦手なの、彼一人でいいわ」
彼女が視線で指したのは、もちろんこの俺。
ユウの顔が青ざめたのがわかった。
だけど、さすがにこれくらいで引き下がる神経じゃないらしい。
「冷たいな~、お姫様の扱いは、俺のほうが得意なんだけどな」
可愛いとでも思っているのか、すくい上げるような視線で彼女を見詰める。
彼女は苦笑いをした。だけど物事はっきり言うタイプらしい。
「彼だけでいいの」
馬鹿みたいに唖然としているユウに、声を落として俺は毒づいた。
「お呼びじゃないんだよ、センパイ。下がってくれよ」
その瞬間、奴が持っていたグラスの中身が、俺のスーツにぶちまけられた。
「…上等ジャン」
仕事中だ。いつもの俺なら見境がある。
だけど、最近のふつふつとしまい込んだイライラの火種が爆発する音が聞こえた気がした。
「………っ止めろ!レン!!!」
店中のホストが俺を押さえ込む。
だけど既に俺の怒りは、充分すぎるほどの勢いで、この男の体にめり込んだ後だった。
ちょと、売れてきたからって、掟が厳しいこの世界。
俺は店先に荷物と一緒に放り投げられた。
「…ったく。ざまぁねえな…」
でも、奴に埋め込んだ拳の感触に気分が良かった。
これ以上、もやもやを溜め込む隙間が俺には無かったのだ。
「失業しちゃった?」
俺の後ろから、ネオンに照らし出された影が伸びてきた。
さっきの女だった。
「あんたか…悪かったなホストクラブ初体験の邪魔しちゃってさ」
「…気にしないで」
クスクスと笑いをかみ殺した声
「仕事なくなっちゃって、あなたこそ困ったでしょ?」
「俺?まあ、またなんか見つけるさ」
「ホストって儲かるの?」
「どうだろ…普通のバイトよりは割がいいんジャン?まだ新参者だからさ俺、稼ぐまではいかなかったかな?」
そう、これからだったのだ。顔もそこそこ売れて、他のホストから女が乗り換えをはじめて来たのに。
「ね?よかったらアルバイトしない?」
「どんな?」
「週給で1週間だけの高額アルバイト」
「いくらくれるの?」
「そうね…200万じゃ安いのかな?あなたを借り切るの」
数日後、信じられない金額が、俺の通帳に振り込まれていた。
上等なホストクラブだったらこんな事もありえるのだろうか?
だけど、たいした格でもない、歌舞伎町で場末のあの店の、まだ新人のホストの俺に…いや、もうホストでもない俺に
どうして?
旅行に付き合って欲しいのよ。と彼女は言った。
水着とパスポートだけは忘れないでね?と
買い物三昧の旅行の荷物持ちって訳か?
いや、荷物持ちにそんな金を払う奴がいるわけが無い。
1週間の貸切、彼女は俺に何を求めているのだろう?
行き先も告げられないまま数週間後、成田の空港で俺達は待ち合わせをした。
成田の出発ロビーで俺を見つけて小さく手を振りながら近づいてくるその女。
その姿を目にして、俺は2.3歩後ずさりしていた。
…無意識に。
ラフなシャツにベージュのパンツ。
服の印象は以前のままだった。
大きく違うのは背中に背負ったもの…リュック?いやその尋常じゃない大きさは登山で使うザックっていうヤツ?
海外旅行って普通スーツケースだよな。
周りを見渡せばカラカラと、軽い足取りでスーツケースを押している、ヒールを履いた女があそこにもここにも。
コレが普通だよな?男だって大抵はそうだもんな。
持つよコレって手を伸ばすと、彼女は「慣れてるから大丈夫よ」って笑った。
どこいくんだ?
何だか嫌な予感。
だけど、怖気づいていると思われるのは癪なので、俺は意地になって決して行き先を訪ねなかった。
乗り込んだ飛行機はスリランカ航空。
スリランカ?聞いたことはあるけれどそれってどこだ?
スリランカ行くのか?何だかイメージが違う。
ハワイとかヨーロッパとか行って買い物して、ゴージャスなホテルのプールで泳ぐんだと思っていた。
このザックをもってジャングルとかに行くんじゃないだろうな?
もしかしたら俺は護身のために雇われたのかもしれない…そんな事が頭をよぎった。
命をかけるなら200万…相当かもな。
ちょっと後悔していた。だけどそれでも俺は意地になって行き先を尋ねはしなかった。
スリランカについて、一回り小さな飛行機に乗り換えて、俺はどこに連れて行かれるのか予想もつかない。
配られた出入国カードもよくわからないので彼女に書いてもらい
ひたすらウォークマンを聴いていた。
曲を書かなきゃ。新しい歌。
仲間に1週間留守にするから、バンドの練習もライブも出来ないというと、じゃあ曲を作ってこいと言われた。
" レン一体いつから書いてないんだよ。マジでもうヤバイよ ”
わかってるんだよ、。だけど今の俺には何にも浮かんでこなかった。
馬鹿みたいに空っぽ。
喉元に何か杭みたいのが打ち込まれていて、言葉が出てこないんだよ。
飛行機が着いたと思ったら、真っ暗闇の中、今度は爆走するボートに乗せられる。
だけど、その頃になってやっと俺は、自分の周りを南国のなんともいえない空気に包まれている事に気付いた。
目の前の風景を遮るものが何も無い世界。
降るような星空だった。
地球をぐるりと半周見渡せるような。
どこに着くのか不安だった気持ちが、一瞬にして期待に変わる。
言葉を交わすことも無く隣に佇む彼女に視線を移すと
彼女の髪がさらさらと闇に溶け込みながら流れるのが見えた。
歌舞伎町のホストクラブの安っぽい、だけどゴージャスにフェイクされた店内でアンバランスに浮いていた彼女。
だけど、闇に包まれた夜空と海を背景にした彼女は、その黒いキャンバスに描かれているかのようにそこに溶け込んでいた。
「着いたみたいよ」
そう言って指差された方向に顔を向けると、船の激しかったエンジン音のトーンがストンと下がる。
そして、ぽっかりと浮かんだ桟橋の灯りに吸い寄せられるように近づいていった。
慣れない足の下の砂の感触。
アスファルトしか知らないその靴には不釣合いな柔らかさだった。
現実感が無かった。
ただ、出迎えてくれた異国の男の微笑が、あんまりにものんびりとしていて、命の危険はなさそうだなと安堵した。
その後、強烈な睡魔が襲ってきて、深く考える余裕も無く、俺は倒れこむようにベットに横になった。
飛行機で眠っていなかったツケがまわったんだろう。
服も着替えていないのに、目を閉じた途端に深く沈む眠りに落ちていった。
やばい、思いっきり寝ちまった…
まだ薄暗い部屋の中で目が覚める。
時差もわからないこの場所で、一体何時なんだろうとぼんやりと寝ぼけた頭で考えていた。
隣で眠る女の横顔。
無防備な寝顔が思ったより彼女を幼く見せている。
少しそばかすが散らばった素顔。
何だかこの女らしかった。
若さを失っていくのを必死で食い止めようとあがきながら、ホストクラブに足を運ぶ女たちと違って
彼女は上手に時間を重ねているみたいに見えた。
まだ、この女の何をを知っているわけじゃない。
俺より5つ年上の29歳で、名前をジュンということだけ。
靴を履いてドアを開けてみる。
そこに広がる景色に、俺は言葉を失ってしまった。
目の前一面の海と空。
見たこともない色。
ブルーとひと言で表すにはあまりにも陳腐だと思った。
一歩外に踏み出すと、昨日と同じ違和感が靴の下に感じる。
だから裸足になった。
混ざりっけの無い、これまた白と言い表すには言葉が足りないような、サラサラのこの砂の感触を味わってみたいと思ったのだ。
裸足の足が深くめり込むくらい細かい粒子の砂浜。
俺はゆっくりと歩き出した。
ささやかな波の音。他に何の雑音も無い。
俺の知っている夜明けは、闇とネオンで覆っていた薄皮をジワジワと朝日で剥ぎ取っていくような瞬間だった。
薄汚れた街の風景が朝日で一層さらけ出されていくそんな時間。
そして始まる雑踏の序曲。
それは、少しは遠慮がちにボリュームは落とされていながらも、耳障りな不協和音のように街を包み込む。
だけど、まるで今産み落とされたようなこの夜明けを目の前にして、俺はその眩しさに圧倒されていた。
真っ白いキャンバスに付けていったような、波打ち際の自分の足跡を振り返ってみる。
薄汚れた俺が刻んだ傷跡のような気さえして、何だか胸が痛んだ。
だけど、それでもそんな俺を、柔らかく包み込んでくれる砂の感触に癒されていた。
この心地よさを知っている。
歌う事にただひたすら夢中だったあの頃。
曲を作る喜び。溢れるほどの何かに満たされている高揚感。
ビーチに沿うように、なんとなく歩いていると、また同じ場所に戻っていた。
10分かからなかった。そして朝早いせいか誰にも会わなかった。
JRのホームに貼られていた、どっかの南の島のポスターみたいな水上コテージを途中で目にした。
本物を目にするのは初めてで、ここはどこかの島のビーチリゾートなんだなとやっと俺は理解した。
俺が泊まったのと同じ、とんがり屋根のビーチコテージも緑の中にポツポツと幾つか点在している。
だけど..コレだけ?10分しかない島。
街は無いのか?この島には生活感というものが全くと言っていいほど見当たらなかった。
コテージの前の椅子で寝起きの彼女がのんびりと煙草をふかしている。
「レンは意地っ張りね」
前に耳にした小さな笑いを噛み殺した声。
「モルディブって知ってるかな?この島はトラギリって言うの」
スリランカじゃないのか。
モルディブ…
聞いた事はある。
だけど知らないに等しかった。
「どんな俺がご希望?」
ここでの俺をアンタは買ったんだもんな。信じられない大枚はたいてさ。
彼女はキョトンとした顔で俺を見上げた。
初めて会った時みたいに。
おいおい、俺を買ったの忘れたんじゃないだろうな。金は振込済だからいいけどよ…。
「そうね、恋人らしく過ごしてくれれば。だけど喧嘩は売らないでね。」
「どんな恋人がお好み?」
「あなたらしいのでいいわよ。でもこの島らしく、少しロマンティックにね」
了解。と言葉で答える代わりに、彼女のお望み通り、俺はどんな女にもした事がないような、優しくて甘ったれたキスをひとつ落としてみた。
プロ意識にこだわる主義。
俺らしくてロマンティック…。難しいこのご注文を俺は頭にインプットした。
「ジュンでいいわよ」
ビーチの延長みたいな、朝食のテーブルでそう彼女は言った。
砂が敷き詰められた裸足が似合うレストランなんて初めてだ。
チャオ。と周りでは陽気な挨拶が交わされている。
イタリア人が多いみたいだ。
日本人は他に見当たらなかった。
まだこの雰囲気に慣れなくて居心地悪そうに甘い紅茶を口に運ぶ俺を、ジュンは頬杖をついておかしそうに見つめてる。
隣の席のカップルが、新参者の俺たちに友達みたいに微笑んくれる。
「ボン・ジョルノ」
そう微笑み返すジュンはまるで何ヶ月も前からこの島に居るみたいだ。
彼女はすっかりくつろいで、この雰囲気に馴染んでいた。
スノーケルセットを借りにダイビングセンターに行く。
ジュンはちゃっかり自分のを持ってきていた。
…前から南の島に行くって聞いていれば、お気に入りのアロハとか持ってきたのによ。
スーツケースに詰め込んだ服は、何だかこの島に似合わなそうな物ばかりだ。
部屋に戻ると、水着に着がえたジュンが待っていた。
シンプルな黒いビキニ。彼女に似合っている。
子供みたいにワクワクしながら、二人で海に飛び込んだ。
このあおいゼリーみたいな海の中に…。
「何だよコレ」
「すげぇよ…」
馬鹿みたいに俺はそんなセリフを繰り返さずにはいられない。
世の中知ったかぶりをして生きてきた。
のほほんと大学とか行って、なんとなくサラリーマンになる奴なんかより世の中を知っているんだよ。なんて。
俺の知ってる世界。
あれってなんだ?
今、目の前に突きつけられている大自然ってやつ。
何にも飾りつけてもいないのに、こんなにも圧倒される美しさ。
ありのままでいる究極さがそこにあった。
珊瑚に群がる魚の渦に取り囲まれて、自分もこの海の一部みたいな心地良さに身を任せた。
だけどジュンときたら…
どうやったら、あんな風に泳げるんだ?
俺みたいに無様に手足をバタつかせるなんて事はない。体を流れに乗せて、イルカみたいに彼女は泳ぐ事が出来た。
何者だよアンタ。
こんな女見た事もない。
泳ぎ疲れて、先に俺は浜に上がって寝ころんだ。
少し時間を置いて、ジュンも名残惜しそうに海から出てきた。
俺をのぞき込む仕草。ジュンの髪から滴る雫が光を反射して輝いている。
この女がどう答えるのか、俺はどうしても尋ねてみたかった。
だから海と空の境界線を指差して俺は尋ねてみたんだ...。素直な気持ちで。
「何ていう色か知ってる?」
「綺麗ね。色々なブルー」
彼女は歌みたいに口ずさんだ。
スカイブルー
アクアブルー
コバルトブルー
マリンブルー
プルシアンブルー
ターコイズブルー………
さらさらと流れるようなジュンの声。
ブルーとその単語を、特に綺麗に彼女は発音する。
何だか見とれてしまった。
そして
演技なのか
どうしてなのか
その濡れた髪に手を伸ばして、引き寄せて、2度目のキスをジュンに贈る。
恋人同士みたいなキス。
仕事だもんな。自分に言い訳してみる。
こんなの俺らしくない。
俺らしくて、だけどロマンティックに。
俺はその役を上手くこなそうとしているだけなのか?
だけど、重ねた唇がそっと離れるとき、何だか淋しくて…
俺はその温もりを追いかけて、名残惜しむようにもう一度口付けていた。